室内空気測定
ホルムアルデヒド・TVOC測定
当社においては、アクティブ法ならびにパッシブ法に関する溶出分析は行いませんが、各方法を依頼内容に基づいて吟味し、最良の検査機関、検査方法を選ぶお手伝いをいたします。
当社においては、アクティブ法ならびにパッシブ法に関する溶出分析は行いませんが、各方法を依頼内容に基づいて吟味し、最良の検査機関、検査方法を選ぶお手伝いをいたします。
室内空気測定とは、新築または改築後の建物においてシックハウス症候群の対策として実施する、法令で定められた化学物質の濃度測定です。シックハウス症候群は、建材や家具などに使用されている化学物質(揮発性有機化合物(きはつせいゆうきかごうぶつ VOC Volatile Organic Compounds)が主要因とされ、目や鼻の痛み、頭痛・めまい・吐き気といった症状があらわれます。
小型ポンプを用いて室内空気を強制的に捕集管に通気して化学物質を捕集する方法です。捕集する時間帯は、一般的に気温が高くなる午後2時~3時頃です。部屋の中央部1箇所で、床面より1.2~1.5mの高さで捕集します。
簡易方法とも呼ばれ、小型捕集管を室内に8~24時間静置して室内の化学物質を捕集する方法です。この方法は現地での捕集作業が容易なため、集合住宅など多地点で同時測定を行う場合に用いられます。
室内空気の測定基準は、厚生労働省の"室内空気中化学物質の測定マニュアル"が標準方法とされていますが、測定対象となる建物の種類によっても測定内容が定められています。
1) 厚生労働省:一般住宅・集合住宅の測定基準
新築住宅法は、室内空気中の揮発性有機化合物の最大濃度を推定するのが目的であり、居住住宅法は、居住、平常時における揮発性有機化合物の存在量や暴露量を推定するのが目的のため、新築ならびに改築住宅と居住住宅では測定時間が異なります。
①測定方法 |
アクティブ法(吸引方式) |
②測定物質 |
13項目(ホルムアルデヒド・VOC等) |
④測定時間 |
新築もしくは改築後の一般住宅・集合住宅 |
⑤測定箇所 |
居間・寝室・外気(2室以上と外気1ヶ所) |
2) 文部科学省:学校環境衛生の測定基準
①測定方法 |
パッシブ法(拡散方式)またはアクティブ法(吸引方式) |
②測定物質 |
6項目(ホルムアルデヒド・トルエン・キシレン・パラジクロロベンゼン・エチルベンゼン・スチレン) |
③測定準備 |
換気30分間以上密閉5時間以上 |
③測定準備 |
換気30分間以上密閉5時間以上 |
④測定時間 |
パッシブ法(拡散方式)・・・始業から終業まで8時間以上で1回 |
⑤測定箇所 |
普通教室・音楽室・図工室・コンピュータ教室・体育館等測定を必要と認める教室。各階1部屋以上。 |
●厚生労働省
シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会提示
「室内空気中化学物質の測定マニュアル」
「室内空気汚染に係るガイドライン案:室内空気に関する指針値」
「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(通称:ビル衛生管理法)」
●国土交通省
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)
住宅性能評価制度
建築基準法に基づくシックハウス対策について
●国土交通省 大臣官房 官庁営繕部 整備課
公共建築工事標準仕様書(建築工事編)
"化学物質の濃度測定"
●文部科学省
学校環境衛生の基準
測定を始める前に、調査対象箇所(部屋)については換気(開放)と密閉を行ないます。
①換気(開放) |
測定日当日の朝、30分以上の換気を行ないます。窓、部屋に備え付けのロッカー等は全て開放します。 |
②密閉 |
換気(開放)後、5時間以上の密閉を行ないます。窓、扉は完全に閉め、部屋に備え付けのロッカー等は開放した状態にします。 |
① |
三脚を立て、吸引ポンプを設置後、室内の中央部、少なくとも壁から1m以上離し、高さ1.2~1.5mに設定します。(文部科学省「学校環境衛生の基準」では、机の高さ、体育館は1.5mの高さに設定) |
② |
室外においては外壁および空調給排気口から2~5m離し、室内の測定高と同じ高さに設定します。。 |
③ |
設定後、吸引ポンプにアクティブ用サンプラーを装着します。 |
①測定方法 |
パッシブ法(拡散方式)またはアクティブ法(吸引方式) |
②測定物質 |
6項目(ホルムアルデヒド・トルエン・キシレン・パラジクロロベンゼン・エチルベンゼン・スチレン) |
③測定準備 |
換気30分間以上密閉5時間以上 |
③測定準備 |
換気30分間以上密閉5時間以上 |
④測定時間 |
パッシブ法(拡散方式)・・・始業から終業まで8時間以上で1回 |
⑤測定箇所 |
普通教室・音楽室・図工室・コンピュータ教室・体育館等測定を必要と認める教室。各階1部屋以上。 |
アルデヒド類用サンプラー:DNPH誘導体化捕集管(GL-Pak mini AERODNPH、ジーエルサイエンス製) | |
---|---|
【採取物質】 ホルムアルデヒド |
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VOC類用サンプラー:溶媒抽出用捕集管(Charcoal Tube、柴田科学製) | |
---|---|
【採取物質】 トルエン |
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アクティブ法サンプリング用ポンプ(吸引ポンプ) | |
---|---|
MP-∑300 (柴田科学製) |
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測定を始める前に、調査対象箇所(部屋)については換気(開放)と密閉を行ないます。
①換気(開放) |
測定日当日の朝、30分以上の換気を行ないます。窓、部屋に備え付けのロッカー等は全て開放します。 |
②密閉 |
換気(開放)後、5時間以上の密閉を行ないます。窓、扉は完全に閉め、部屋に備え付けのロッカー等は開放した状態にします。 |
① |
三脚にクリップ等でパッシブ用サンプラーを固定します。天井からつるす場合は、ひも、画鋲、フック等を使用します。室内の中央部、少なくとも壁から1m以上離し、高さ1.2~1.5mに設定します。(文部科学省「学校環境衛生の基準」では、机の高さ、体育館は1.5mの高さに設定) |
② |
室外においては外壁および空調給排気口から2~5m離し、室内の測定高と同じ高さに設定します。 |
アルデヒド類用サンプラー:DNPH誘導体化捕集管(DNPHパッシブガスチューブ、柴田科学製) | |
---|---|
【採取物質】 |
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VOC類用サンプラー:溶媒抽出用捕集管(パッシブガスチューブ、柴田科学製) | |
---|---|
【採取物質】 トルエン |
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分析機関では、試験を依頼してから、試験結果証明書が発行されるまで通常1~2週間程度かかります。
厚生労働省検討会;室内空気に関する指針値
厚生労働省により以下の13物質の指針値が定められています。
25℃の場合 | ||
---|---|---|
μg/m3 | ppm | |
ホルムアルデヒド | 100 | 0.08 |
トルエン | 260 | 0.07 |
キシレン | 870 | 0.20 |
パラジクロロベンゼン | 240 | 0.04 |
エチルベンゼン | 3800 | 0.88 |
スチレン | 220 | 0.05 |
クロルピリホス | 1 | 0.07ppb |
(小児 0.1 | 0.007ppb) | |
フタル酸ジ-n-ブチル | 220 | 0.02 |
テトラデカン | 330 | 0.041 |
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル | 120 | 0.0076 |
ダイアジノン | 0.29 | 0.023ppb |
アセトアルデヒド | 48 | 0.03 |
フェノブカルブ | 33 | 3.8ppb |
指針値を超える要因としては以下の4つのケースが考えられるので、要因の究明と措置をしたあと、再測定を行ないます。
1) 経過日数の不足
施工終了後2~3日程度で測定し、指針値を超えたケース。
→ 一定期間の経過と換気(開放)のあと再測定をするか、ベイクアウト(室内温度を人工的に30~35度まで上げ化学物質の放出を加速させる)のあと再測定を実施します。
2) 換気の不足
換気30分以上、密閉5時間以上という基準で実施したとものの、前日から密閉するなど密閉時間が長時間に及んでいて、指針値を超えてしまったケース。
→ 換気30分、密閉5時間で再測定を実施します。
3) 使用材料の影響
内装の仕上剤や接着剤によるものが考えられるケース。
→ 床、天井、壁の内側に要因があることが多いため、推測のうえ、ベイクアウトのあと、再測定を実施します。
4) 周辺工事の影響
測定時に同時に行なっていた外気の測定と照合し、外気の状況も指針値を超えるものであったケース。
→ 測定日の状況から要因を推測し、再測定を実施します。